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人生一度は夢を見る(01~13)


ひといきかずとはゆめをみる

踵をなくしたおねえさま
踵を奪ったがらすさま
踵をご所望おかあさま

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ひといきかずとはゆめをみる

皆々様、お手を拝借
皆々様、お首を拝借
揃いましたれば、いざ
ご絶命願ゐます

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ひといきかずとはゆめをみる

ワンダースワンチャンス
一息吹いたらちょんちょんちょん
一息置いてちょんちょんちょん
ぱっとなくなるワンチャンス
ちょんちょんちょんぱっ
ちょんちょんぱっ

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ひといきかずとはゆめをみる

どうせ地獄に堕ちるなら
愚痴のドブに落ちませう
どうせ地獄に堕ちるなら
お調子太鼓で笑いませう
どうせ地獄に堕ちるなら
死んで花火となりませう

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ひといきかずとはゆめをみる

槍と盾は↮(相容れない)
まして鏡は↭(歪ませる)
☜(どっち)も☞(こっち)も
☟(あっち)も☝(そっち)も
♂(あなた)と♀(わたし)の
⇷⇷⇷⇷⇷⇷⇷(何者)だらけ
⇴(矢羽根)が⇱(ギューン)
⇴(矢羽根)が⇲(ギューン)

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ひといきかずとはゆめをみる


 い
  だ
 ん

 て
  す
 り

 よ
  り
 か

 る
  し
 ろ

 を
  む
 い

 か
  つ
 べ

 し
  が
 わ

 し
  を
 み

 い

(階段を踏み外す音)

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ひといきかずとはゆめをみる

闇を愛しているという
闇を欲しているという
闇の中にいたいという
闇は闇でしかないのに
闇はどこから闇なのか
闇は光からくるもので
闇から闇は生まれない
闇から何かが生まれた
とすればそれは闇では
なく、病み、だと思う

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ひといきかずとはゆめをみる

服毒自殺
彼は毒の服を纏って死んだのだ
復毒自殺
彼は自分に毒を飲ませて死んだのだ
復読自殺
彼は繰り返す物語の中で死んだのだ
複独自殺
彼は彼の彼の彼の独占欲で死んだのだ
膨髑自殺
彼は頭蓋骨を捨てて死んだのだ
腹退自殺
彼は

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ひといきかずとはゆめをみる

痛くて甘くて冷たくて
温くて甘くて痛いもの
春に万華、夏に風船
秋に小風、冬に花火
痛くて甘くて痛いもの
温くて甘くて温いもの
トラックが、走ってる
機関車が、走ってる
カーンカーンカーンカーン
全て夏頼み
このとーり、このとーり

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ひといきかずとはゆめをみる

バナナオレは母の味。
むせび泣く私の声。
ホットケーキと似た味がする。
バナナオレは幻想の味。

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ひといきかずとはゆめをみる

悲しくはありません
哀しくはありません
切なくはありません
ではこの痛みはなんでしょう
教えてください
教えてください
すぐ忘れますので
忘れますので、どうか、どうか、
目元に張り付いた目脂のように
忘れますので、どうか、どうか

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ひといきかずとはゆめをみる

クリオネのような悲しみに
何を混ぜたらいいだろう
中和のできる物質を
伽藍堂は待っている
でっかいパイプをくぐって遊んだ
昔がとても懐かしい
空洞だ!空洞だ!
声は響いて跳ね返って戻ってきて
今は悲しみが、跳ね返る

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ひといきかずとはゆめをみる

あの人の背中に「好きでした。また会いましょう」と言って、私は恋から目覚めました。
自己満足で、許されぬ恋でしたが、人が一度は見る夢でした。
それを、自分も見ることができたからでしょうか。
私の心は、この上ない幸せに包まれています。